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硬質ウレタンで衝撃吸収材を作るメリットとは?浜口ウレタンの実績も紹介
2022.03.22
硬質ウレタンで衝撃吸収材を作るメリットとは?浜口ウレタンの実績も紹介
衝撃吸収材は自動車の部品として使われており、事故など万が一の際の衝撃から人を守る重要な部品です。
数ある硬質ウレタンの用途の中でも、高精度な物性や規格が求められます。
自動車メーカーの方などに、
「浜口ウレタンが衝撃吸収材を作っていたのは知らなかったよ」
と言われることがあります。
実は当社浜口ウレタンは、衝撃吸収材を作れる会社なのです!
そこで今回は、硬質ウレタンで衝撃吸収材を作るメリットと衝撃吸収材の物性、浜口ウレタンの衝撃吸収材の製作実績などをご紹介します。
衝撃吸収材とは
衝撃吸収材とは、車両衝突時の緩衝材などに使われるほか、衝突による衝撃エネルギーから乗員を守る役割を担う素材です。
衝撃を受けると変形したり、破損したりすることで衝撃エネルギーを分散させるようになっており、その材料に硬質ウレタンが使われることがあります。
自動車に使われる衝撃吸収材の種類は多様です。
- ・バンパー
・サンバイザー
・車内側の天井
・車内側のドア
・アームレスト
・エンジンカバー
・クラッシュボックス
・インストルメントパネル
・座席シート下(下肢部衝撃吸収材) など
衝撃吸収材に硬質ウレタンを使う3つの理由
衝撃吸収材に硬質ウレタンを使うおすすめな理由について、以下の3つがあります。
- 細かい制作ができるから
- 腐りにくいから
3. 省エネに貢献できるから
それぞれについて解説していきます。
細かい製作が可能
硬質ウレタンは、複雑で繊細な形状の成型が得意です。
金属で同じものを作る場合に比べると、さほど原価をかけずにデザイン性のあるものを作ることができ、製品に付加価値を付けられます。
また、金属など別の素材や部品と一体となった成形品を作ることもできるので、作業工程を減らすことにも繋がります。
こちらでの記事では、浜口ウレタンが高精度の製品を少量ロットにも量産にも対応できる理由を紹介しています。
小ロット~大量生産まで!浜口ウレタンの硬質ウレタン製品の作り方とは?
腐りにくい
硬質ウレタンは腐敗しにくく、加水分解も起こりにくい素材です。腐る心配がないため、重要な部品の素材や芯材に使うことができます。
その一方で紫外線には弱いのですが、主に自動車の内部に使われ直射日光が当たることはほとんどないので、影響は少ないと考えられます。
硬質ウレタンの加水分解についてこちらの記事で紹介しています。
硬質ウレタンに加水分解は起こりにくい?その仕組みを解説
省エネに貢献できる
自動車は搭載する機能が年々増えているため、以下のグラフのように車体の重量が増え続け、燃費が悪くなってしまうことが問題でした。
車体重量を100kg減らすと、燃費が1kg/リットル向上すると言われており、軽量化は各自動車メーカーの課題になっています。
(参照:日刊工業新聞「自動車の軽量化」)
硬質ウレタンはアルミニウムを含めた金属よりも軽いため、樹脂に変更可能な部品は切り替えが進んでおり、車体の軽量化に以前から貢献しています。
また断熱性を持つ性質を活かし内装に使用することで、車内の空調を一定に保つ効果も期待できます。
こちらの記事で硬質ウレタンの特性をご紹介しています。
【簡単解説】硬質ウレタンの特性とは?|メリットとデメリット
衝撃吸収材の物性
衝撃吸収材は人命の安全性に繋がる重要な部品であるため、きちんと物性基準をクリアした素材が使われなければなりません。
素材の物性を測る試験によって、ご依頼された製品基準を素材が満たしているかを確認します。
物性試験とは
物性試験には様々なものがあり、大きく分けると以下の6分野があります。
衝撃吸収材の物性試験で関係があるのは、機械的性質・物性的性質・熱的性質が多いでしょう。
性質 | 試験内容(単位) |
機械的性質 | 強度、剛性、靭性、硬度 |
熱的性質 | 融点(℃)、熱膨張係数(×10-6/℃)、熱伝導率(W/m·K)、荷重たわみ温度(℃) |
光学的性質 | 屈折率(n) |
電気的性質 | 誘電率(1Mhz)、体積抵抗率(Ωcm) |
化学的性質 | 耐酸・耐アルカリ性、耐油性 |
物性的性質 | 密度(kg/㎥)、比重(g/㎥) |
硬質ウレタンの衝撃吸収材の物性表例
浜口ウレタンで過去に生産した、衝撃吸収材の物性表の事例をご紹介します。
以下の測定結果には、3回検査を行った結果の平均値を返しています。
製品収縮率の評価方法については、次の画像をご確認ください。
このように、試験結果を確認して品質基準をクリアしているか確認できます。
浜口ウレタンは硬質ウレタンで衝撃吸収材も作っています!
(浜口ウレタン)
上の画像はシートに組み込まれた衝撃吸収材であり、SUZUKIのエスクードに採用されたものです。
硬質ウレタンで作る衝撃吸収材は、比較的費用がかからず軽量に作れます。
シートやバンパーなどに組み込む成形もできるため、加工の領域が広いメリットもあります。
浜口ウレタンでは、複雑なデザインの生産にも対応が可能です。
今後はデザイン性を追求した製品作りを求められることもあるでしょうが、そのようなご依頼にも十分対応できると考えます。
衝撃吸収材の生産に関するご相談を受けつけておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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