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衝撃に強い硬質ウレタンを水災害対策に活用!地域と人を守る活動

2022.03.31

衝撃に強い硬質ウレタンを水災害対策に活用!地域と人を守る活動

硬質ウレタンは、アイデア次第で色々な可能性がある素材です。
浜口ウレタンでは、メーカーなどの企業様からの生産依頼のほかに、硬質ウレタンの特性を活かした独自製品の開発もおこなっています。

今回は、浜口ウレタンの独自製品を開発した事例をご紹介し、製品開発から分かる社風やモノ作り精神をお伝えしていきます。

 

 

ハマウレマリン事業部の活動

浜口ウレタンには「ハマウレマリン事業部」という事業部があり、硬質ウレタンを活用した災害救助用の製品を独自に開発しています。
各地域の消防隊へ納入実績が数多くあり、人命救助に貢献している事業です。

こうした人命救助に関わる事業に乗り出したきっかけは、2011年に起こった東日本大震災でした。
当社代表の浜口弘睦が、宮城県南三陸町の深刻な被害状況を見て、

「浮いていれば助かった命がもっとあったんじゃないか」

と考え、高い浮力を持つ硬質ウレタンを活用し、フローティングプロテクター(救命胴衣)の製造に着手しました。

その後、救助ボートの開発にも乗りだし、多くの消防署に採用されるヒット商品になっています。

 

 

 

ライフジャケットの約4倍の浮力を持つ「フローティングプロテクター」の開発

フローティングプロテクター24

(浜口ウレタン自社画像)

当社が開発したフローティングプロテクターは、一般的なライフジャケットとは性能が大きく異なります。

東日本大震災で起こった津波レベルを想定しているので、安定して長時間浮いていられるように作られているのが特徴です。

一般的なライフジャケットの浮力は6〜7kgですが、フローティングプロテクターの浮力は24kgと3倍以上になります。

また、空気注入タイプなどの柔らかいライフジャケットでは、津波などで流れきた物体がぶつかると直接人体に衝撃を受けてしまう心配があります。
実際、東日本大震災の犠牲者の9割の方は、肋骨や首の骨が折れていたそうです。

一方、フローティングプロテクターに使われる硬質ウレタン素材は衝撃に強い素材のため、衝撃によるケガなどのリスクの抑制が期待できます。

津波警報から30分以内に安全な場所に逃げる事が困難な方々にとっては、災害時の命の不安を軽減できる製品です。

昨年より、そんな津波対策用救命胴衣の新型モデル「フローティングプロテクター24」の販売をスタートしました。

大人4人の重さでも沈まない国土交通省型式認証基準3倍以上の浮力を持ち、耐衝撃にも抜群の安全性がある津波対策救命胴衣です。
車内へ積載しておくことで出かけた先でも安心!

装着は簡単で、国が定めているライフジャケットの安全基準をクリアした防災準備品として、累計1,500着の販売実績があります。

フローティングプロテクター24の詳細と購入は、こちらのページで確認できます。
津波・水害対策ライフジャケット「フローティングプロテクター24」
(楽天市場の商品サイトへ遷移します)

 

 

 

穴が開いても沈まない「災害救助ボート」の開発

(浜口ウレタン自社画像)

浜口ウレタンでは、ゴムボートに空気の代わりに硬質ウレタンを注入した「災害救助ボート」を開発しました。
種類も徐々に増え、これまでに400以上の自治体に納入した実績があります。

自治体への納入実績の詳細はこちらで確認できます。
ハマウレは浜口ウレタン(株)の水難事故・水害対策・防災のマリンブランドです

空気のゴムボートでは穴が開いたら使えなくなりますが、硬質ウレタンボートならドリルで穴を空けても高浮力を保ち、沈むことがありません。

実際の災害現場では、ガレキなどの障害物により空気のゴムボートでは救助に向かえなかったこともあるそうです。
衝撃に強く沈まない救助ボートなら、より多くの救助現場に向かうことができるでしょう。

今でこそヒット商品のウレタンボートですが、開発当初には苦労もありました。
大きな硬質ウレタンになるほど加工時の熱が冷めると収縮率は大きくなり、ボートの表皮と硬質ウレタンの間にスキマができてしまうのです。

展示会では「しなびたキュウリ」と揶揄されたこともありましたが、今では技術力が向上し、ゴムボートと硬質ウレタンにスキマができることはありません。

苦労しながらも着実に進歩したのは、救助現場の声を常に開発に取り入れてきたからです。

浜口ウレタンでは、災害救助ボートを見てみたいという自治体のために、各地でデモンストレーションをおこなっています。
すると地域ならではの「もっとこうだったらいいのに」という要望がたくさん出てきます。

たとえば東京都江戸川区は、水害リスクを抱える地域が広く人口も多いため、少しでもたくさんの人が乗れるボートが必要でした。
そのため江戸川区には「車椅子の方も無理なく乗せられる6人乗り」を特注で作りました。

江戸川区の救助ボートの依頼は、ジチタイワークスWEBでも取り上げられました。
特注セーフティボートで水害から住民を守る!江戸川区の挑戦。 | ジチタイワークス

また別の自治体では「水がない場所ではただの重い担架になる」とのご意見がありました。
硬質ウレタンに浮力はあるものの、ボートの重さが数十kg以上、大きなものだと100kgを超えるものまであります。

そこでボートの底に車輪を付け、水陸両方で使えるようにしたことで、使い勝手が良いボートに改良できました。

このウレタンボートは、めったに水害が起きない地域でも、救助応援に向かう時のために検討したい、とデモンストレーションの依頼やご注文をいただくことがあります。

実際に水害が起きてボートを使用した地域からリピート注文をいただくことがあり、救助現場で使用して「これは使える!」と確信を持っていただけたと考えられます。

災害救助ボートのデモンストレーションや資料請求などのお問い合わせがあれば、お気軽にお問い合わせください。
浜口ウレタンに問合せる

 

 

浜口ウレタンの今後の可能性

今回ご紹介したように、浜口ウレタンでは自社製品の開発もおこなっており、こうした開発を通して社会に貢献できていることを誇りに思います。

衝撃吸収材や医療部品などメーカー様から依頼される製品作りと、自社開発の製品作りの間で共通することは「お客様の声を聴く力」です。

当社にはお客様が満足できない点や問題点があれば、すぐに対応するという方針があります。

製品の悪い点を知ることは、早ければ早いほど自社にとって有益と考えるからなのですが、むしろ対応が早くてお客様が驚かれたことがあります。

もし浜口ウレタン製品に対するご意見や要望があれば、どんどんお知らせください。

今後も硬質ウレタンを活用して、新しい製品開発やこれまでに関わったことのない分野への生産協力などに挑戦し、浜口ウレタン独自のモノ作りを目指していきます。

 

 

 

 

 

 

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