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硬質ウレタンにまつわるウソ?ホント?8つの質問にお答えします!

2022.03.16

硬質ウレタンにまつわるウソ?ホント?8つの質問にお答えします!

ウレタン素材は、スポンジのように柔らかいものがあったり、ローラースケートのタイヤのようにゴムの性質を持たせたり、色々な加工ができる素材です。

性質が異なるウレタン素材が巷にはあふれているため、硬質ウレタンと他のウレタン素材とを混同されてしまう方は多くいます。

例えば、

「ウレタンって水を吸うよね?同じウレタンだから硬質ウレタンも吸水するよね?」
「ウレタン素材っていうから柔らかいんでしょ?」

と、聞かれることもしばしば。

そこで今回は、硬質ウレタンについてよく聞かれる質問や多くの人が持っている誤解についてお答えしていきます。

 

 

 

①ウレタン素材だから硬質ウレタンも水を吸うの?

硬質ウレタンは水を吸わない素材です。

同じウレタンを原料にしていても、スポンジやマットのような軟質ウレタン素材は水を吸う性質があります。

しかし、硬質ウレタンはスポンジとは構造が違って、素材の中に水が入り込みにくい「独立気泡構造」になっているので、水を吸うことはありません。

独立気泡については、こちらの記事で解説していますので併せて読んでみてください。
【簡単解説】硬質ウレタンの特性とは?|メリットとデメリット

 

 

②ウレタン素材だから柔らかいよね?

発泡ウレタンは硬さを変えることができ、柔らかい素材から木材と同じくらいの強度を持つ素材まで作ることができます。

しっかりした強度を持つ硬質ウレタンは、木材や金属の代わりに使用されることがある素材です。
ガラスクロスを中に入れれば、さらに強い硬質ウレタンを成形することができます。

ガラスクロスとは、ガラスの持つ不燃性や熱的特性、電気絶縁性、寸法安定性、引張強度に優れた性質を持つ繊維のことで、硬質ウレタンの液に含浸させ強度を出します。

硬質ウレタンは、金属に近い強度で生産することができますが、金属よりも温かみのある素材感が特徴です。

 

③硬質ウレタンは加水分解が心配・・・

当社の硬質ウレタンは、加水分解が起こりにくいのが特徴です。

スニーカーのソールなどが加水分解によってボロボロになる現象はよく知られています。
しかし、同じウレタンでもエステル系とエーテル系があり、エステル系のウレタンが加水分解を起こしやすいと言われています。

当社浜口ウレタンでは、エーテル系の硬質ウレタン素材を扱っているため、加水分解の心配はほとんどありませんのでご安心ください。

加水分解の仕組みを以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ読んでみてください。
6. 硬質ウレタンに加水分解は起こりにくい?その仕組みを解説

 

 

④硬質ウレタンは水に強いの?

硬質ウレタンは、水に強く高い浮力を持つ素材です。
その特性を活かし船やボート、浮きに使われるなど、港湾業界やマリン業界に大きく貢献してきています。

浜口ウレタンでも水害時に使える「セーフティボート」や「フローティングプロテクター24(救命胴衣)」を開発しています。

 

 

⑤硬質ウレタンは金属と一緒にインサート成形できるの?

硬質ウレタンは、金属やプラスチックなどの部品とインサート成形が可能です。
インサート成形とは、硬質ウレタンと別の素材や部品が一体となった成形品を作る方法を指します。

生産過程でインサート成形ができると、組立の工程数を減らすことができたり、人手による組立よりも精度を上げることができたりするなどのメリットがあります。

例えば、ジェットコースターの安全バーや車のハンドルなどの製造にはインサート成形が便利です。

同様の製品を一般的なゴム素材で作る場合、「後巻き」といって鉄パイプなどの金属の芯金にゴムを巻きつけ、温めて無理やり接着させたり押し込んだりする方法で作られます。

一方で硬質ウレタンで製造するなら、後巻きをしなくても済むため、製造が早くて簡単で、お客様の製品依頼に幅広く対応できます。

一体成形の製品実績は、こちらのページで確認できます。
表皮一体 | 浜口ウレタン株式会社

 

 

⑥硬質ウレタンは接着するってホント?

硬質ウレタンは発泡が始まってから固まるまでの間に、くっつけておいたものに接着する自己接着性があります。

固まってしまった後に別の素材と自然に接着することはありませんが、発泡している間であれば、接着剤を使わなくても以下の素材と接着させることが可能です。

(参照:硬質ウレタンフォームの特徴

この性質を利用して、スプレーによる断熱工事や、セットされた各種面材の間に発泡するだけで、複合パネル、ラミネートボードの製造ができます。

なお、対象物の表面にあらかじめ接着性を高める下地塗料の塗布などをしておけば、さらに強力な接着が可能です。

ただし、ポリプロピレン、ポリエチレン、フッ素樹脂、シリコーン、ワックスなどとは一般の接着剤と同じように接着しません。

 

 

⑦硬質ウレタンは耐火性に劣るってホント?

2019年、大手賃貸事業会社の建築不正が起こった際「発泡ウレタンは耐火性が劣る」との誤った報道がなされたため、そのように考える方はいるかもしれません。
確かに硬質ウレタンそのものは可燃物ではあります。

しかし、建築基準法の防耐火構造が要求される建築物においては、硬質ウレタンフォームを外壁に入れた構造で、国土交通省の大臣認定を取得したものが用いられています。

ビル・マンション等では建築基準法の内装制限により、内装仕上げが防火材料で覆われており、火災に対する安全性が確保されます。

つまり建築で使用される硬質ウレタンは、国の基準を満たした材料が使用され、壁の防耐火構造がしっかりしている状況下で使用が許可されているということです。
そのため、一概に発泡ウレタンが耐火性に劣るわけではありません。

(参照:レオパレス21建築不正について | トピックス | ウレタンフォーム工業会

 

 

⑧硬質ウレタンは外壁への使用が認められていないって聞いたけど?

前述でご紹介した2019年の大手賃貸事業会社の建築不正の際、「外壁への発泡ウレタンの使用は認められていない」とも報道されましたが、こちらも誤った認識です。

硬質ウレタンフォームを使用した外壁は、防耐火構造の国土交通省大臣認定を取得した製品が使用されており、住宅の外壁への使用は認められています。

ビル・マンション用途では、そのほとんどの外壁の内側に吹付け硬質ウレタンフォームが使われています。

戸建て住宅では、硬質ウレタンフォームボード製品が外張り断熱用として、また充填断熱材として吹付け硬質ウレタンフォームが広く用いられています。

(参照:レオパレス21建築不正について | トピックス | ウレタンフォーム工業会

 

 

硬質ウレタンのご相談・ご依頼は浜口ウレタンへ!

硬質ウレタンに関して、よく聞かれる質問や誤った情報についてご紹介してきました。

ウレタンを原料とするものは、様々な場所で形状や硬さを変えて使用されており、用途目的によって特徴が大きく異なる素材です。
色々な情報が入ってくるので、認識が混ざってしまうのは仕方ありません。

硬質ウレタンにも今回ご紹介したように多くの特性があり、まだまだ色々な企業様のお役に立てることがあると考えます。

硬質ウレタンでの製品生産について分からないことや不安な点は、浜口ウレタンへご相談ください。

浜口ウレタンに相談する

 

 

 

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