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小ロット~大量生産まで!浜口ウレタンの硬質ウレタン製品の作り方とは?

2022.02.28

小ロット~大量生産まで!浜口ウレタンの硬質ウレタン製品の作り方とは?

ウレタンは作り方によって、軟質・半硬質・硬質と固さを変えることができ、形状などや特性などがまったく違う製品を作ることができる素材です。

硬質ウレタンというくくりだけで見ても、作り方は1つではありません。

当社浜口ウレタンではウレタン素材を発泡させる工法で、自動車の衝撃緩衝材などの硬質ウレタン製品を作っています。
具体的な作り方としては以下の2通りになります。

  1. 金型にウレタンを注入して製造する方法
  2. 工作機械を使って切削加工する方法

作り方が2通りあることで小ロットから大量生産まで、お客様が必要としている発注量に柔軟に対応できるのです。

今回は、浜口ウレタンの硬質ウレタン製品の作り方とその特徴を解説していきます。

 

 

金型にウレタンを注入して製造する方法

(参照:ウレタンフォーム工業会

まずご紹介する作り方は、金型を使って硬質ウレタンを成型する方法です。
上記の画像はウレタンフォーム工業会が紹介している工程のイメージになります。

左上には、硬質ウレタンの主剤であるポリオールとポリイソシアネートのタンクがあります。
主剤に触媒や発泡剤などの薬剤を加え、型に流し、加熱され硬化した後に金型から外します。

金型を使って生産する方法は、たい焼きをイメージしてもらうと分かりやすいでしょう。

焼き器(金型)に生地(ウレタン原料など)を流し込み、加熱します。
型から外したばかりの硬質ウレタンは、焼きあがったたい焼きのようにホカホカしているところも似ています。

この方法で生産するには、金型を作るための初期投資が必要になりますが、変わった形や繊細な形でも金型があれば大量に生産できるというメリットがあります。

以下の画像は、浜口ウレタンが保管している金型です。
鉄より軽くサビにくいアルミで作られており、大きさや形状が色々と異なります。

 

(浜口ウレタン自社画像)

以下の画像は、金型に注入したウレタン原料を発泡、硬化させる製造ラインです。
上記のイラストの右上にある「発泡・硬化・脱型」レーンにあたりますが、グルグル回りながらたくさんの金型の中で硬質ウレタンを製造していきます。

(浜口ウレタン自社画像)

 

 

工作機械を使って切削加工する方法

切削加工とは、工作機械を使って素材を削ったり穴を開けたり、形を整えたりする加工技術のことです。
硬質ウレタン素材を工作機械に固定し、刃物を押し当て不要な部分を削り落とします。

切削加工は、不要な部分を削り好きな形にできるので汎用性が高く、小ロットのご注文に対応できる加工方法です。
デザインの確認や試しに1つだけ作りたい、というご要望にもお応えできます。

ただし、製造したいものが機械に収まらない大きさの場合は、対応できないことはあります。

硬質ウレタン製品を切削加工で製造する場合は、3Dデータを基に「NC加工機」や「汎用機」を用いた切削加工を行います。

NC加工機のNCとは「Numerical Control=数値制御」という意味です。
設計図に基づいた数値を工作機械に設定すると、そのプログラムの指示通りに刃物の回転数や位置、速度を自動制御して加工します。

そのため3Dデータを機械にプログラムすれば、設計通りに仕上げることが可能です。

汎用機も切削加工するための工作機械ですが、NC加工機が作られる以前は汎用機を使って技術者さんが一つ一つ手動で切削加工を行っていました。

汎用機を扱うには熟練の技術が必要になります。
また扱える技術者の高齢化も進んでいるため、最近ではNC加工機を利用しているところが多いようです。

しかし浜口ウレタンでは、NC加工機も汎用機も使い製造を行っています。
特に柔らかいウレタンほど切削加工が難しくなるものですが、当社では柔らかくても正確に削りだすことが可能です。

最新のデータを利用した技術だけではなく、汎用機を扱うような熟練者の技術を若い世代に継承する努力も日々行っております。

以下3枚の画像は座席シートの背もたれで、切削加工によって作られた事例です。

一見、表皮があるようにも見えますがカバーなどはしておらず、むき出しの状態になります。金属や木材とは全く違った素材感が特徴的です。

<1枚目>表面
硬質ウレタンの中に金属やプラスチックなどの製品をインサートして成形することができるため、溝の中に鉄のワイヤーが埋め込まれています。

(浜口ウレタン自社画像)

 

<2枚目>裏面
「巻き込みのタレ」と呼ばれる背面の巻き込みの部分のように、刃物が入りにくい複雑な形状のものも成形することができます。

(浜口ウレタン自社画像)

 

<3枚目>上部
ヘッドレストの差し込み部分

(浜口ウレタン自社画像)

 

硬質ウレタンを削る様子を少しだけお見せします。
https://photos.google.com/share/AF1QipOghf9O4qR8miFSTQ8xQWjeF0z_P_IrEBLkmuQEtkugMJVjdErfF_h6YcYE2XgUGA/photo/AF1QipPFOajWJZD6HMLPxQqVZn6jxaky-PX1BpbQmK1Q?key=Unh5NHhYMXpDOU95a3VMR3c4U29EaFZneHMyczV3

 

 

だから浜口ウレタンは1個にも大量生産にも対応できる

硬質ウレタンの作り方をご紹介してきました。
大量生産をご依頼なら金型を使って製造でき、試作品や小ロット生産のご依頼なら切削加工によってお客さまの要望にお応えすることができます。

小ロットのみの生産であっても、金型を作った方がお客さまの費用負担が少なくなるようならば、きちんとその旨をお伝えしています。

また、形状などについても「このようにしたら成形性が良くなりますよ」などの提案を弊社から行うことがあります。
成形性が良くなるということは、つまりお客さまの費用負担を減らせるからです。

浜口ウレタンでは、ご要望の発注量に合わせた生産にお応えするだけではなく、お客さまにとって良質な提案を行うことも重視しております。

中小企業ならではの柔軟性と機動力を活かし、今後も硬質ウレタンの生産によってお客さまの悩みに対応していきます。

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